今回は私が翻訳作業の中で行っているクロスチェックについて書きたいと思います。前回書いた通り、私はクロスチェックを2回行っています。全体の流れの中の以下の赤い部分です。
資料・スタイルガイドチェック→翻訳→クロスチェック1回目→クロスチェック2回目→訳文チェック1回目→訳文チェック2回目→話者チェック→Wordで校閲チェック
では詳しく見ていきます。
クロスチェック1回目
まずクロスチェックとは、原文と訳文を突き合わせてチェックすることを言います。
ここでは誤訳や訳抜けのチェックはもちろんですが、私の場合わからないところを明らかにし、後で質問する必要のある個所を明確にします。画像のように、原文と訳文を印刷してペンを片手に一行一行確認しています。クライアントに確認の必要のある点や注意が必要な点は赤ペンでメモしています。
1回目のクロスチェックは青ペン、2回目のクロスチェックは緑ペンでやっています。ですので紙とペンは割と消費します。紙は月に200~300枚くらいは消費しているのではないでしょうか。
別にモニター上でチェックすればいいじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしモニターだと行を飛ばす恐れがあったり、メモを残すことができなかったりするで、プリントアウトして一枚一枚チェックするのが自分には合っています。何よりその方が精度が上がる気がするのでそうしています。
正直ここの作業が一番時間かかります。前回の翻訳作業にてわからなかった点を基本的にここでわかるようにするため、言葉を調べたりストーリー解説動画を何度も見返したりとかなりパワーを使います。
クロスチェック2回目
クロスチェック1回目が終わるとクロスチェック2回目に入ります。1回やっているから大丈夫だろうと思いたいところではありますが、正直かなり誤訳が見つかります。1回目は割と内容の理解に頭を使っているからなのか、2回目のクロスチェックでは凡ミスがよく見つかります。
また2回目のクロスチェックをやると同時に、この時点でもどうしても理解不能な箇所はQueryにてクライアントに確認します。これだけやってわからないなら中国人でもわからないだろうという精神で聞きまくります。ストーリーが難解で迂遠な言い回しが多いこともあって、質問は100を超えることがよくあり、多い時には200個以上質問することがあります。
以前気になって質問し過ぎで煙たがられていないか聞いたことがあるのですが、むしろ質問してくれた方が安心すると言われたことがあります。一つ一つ丁寧に答えてくださるクライアント様には頭が上がりません。
続きます。
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