翻訳作業の流れ①

自分について
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今回からは私が普段行っている翻訳作業の流れを何回かに分けて書きたいと思います。完全にオリジナルのやり方ですので、もっとこうした方がいいよといった点があればコメント等で教えていただければ幸いです。

基本的な流れは以下の通り、

資料・スタイルガイドチェック→翻訳→クロスチェック1回目→クロスチェック2回目→訳文チェック1回目→訳文チェック2回目→話者チェック→Wordで校閲チェック

ほかの方がどれだけの過程を踏んで納品しているかはわかりませんが、個人的に自分は割と手間をかけている方だと思っています。今回は「資料・スタイルガイドチェック→翻訳」を見ていきたいと思います。

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資料・スタイルガイドチェック

まずは先方から送られてきた資料やスタイルガイドをチェックします。スタイルガイドにのっとるのは当然のことながら、ゲーム翻訳についてですと、私は主にストーリーを担当していますので、ここでは基本的にストーリーに登場するキャラクターの口調チェックをします。ここが日本語の素晴らしい点であり翻訳の際の難点でもあるのですが、日本語には役割語というものがあり、口調によってキャラの性別・年齢・性格・社会的地位などが想起されます。ネット上にそのキャラのボイスがアップされていれば逐一聞いて頭に刷り込ませます。

私はすでに3年近く同じゲームのストーリーを担当しているので、新キャラの確認だけでいいのですが、もしこれが新たに別のゲームを担当するとなると、そのゲームの世界観やストーリー、大量のキャラの設定や口調を頭に叩き込まないといけません。私が今のゲームを担当する際は、すべてのストーリーを見終わるまでに20時間くらいかかった記憶があります。

会社にもよると思いますが、これだけ時間を費やしてもその分のお時給が出るかは正直微妙なところです。こういうところでお給料を出してくれるところは信頼できる会社さんですね。

早く翻訳作業に取り掛かりたいところですが、ここでしっかりと頭に叩き込まないと後々面倒なことになるのでしっかりと時間を取って確認作業をします。実際口調が合っていないということでプロジェクトを降ろされた翻訳者さんを見たことがあります。

翻訳

資料・スタイルガイドをチェックしたらいよいよ翻訳作業に入ります。人によっては全体の文を読んでから作業に取り掛かる人もいるかもしれません。しかし私の場合、一回のボリュームが5~8万字、多い時には12万字になることもあるので、全部を最初に読んでいたら納期に間に合いません。ですので初っ端から翻訳し始めます。私が担当しているゲームはストーリーが難解なことで有名で、伏線もたくさん張られていることもあり、基本的に初見では全く理解できません。ですので大陸プレーヤーが出した考察動画を参考にしつつ、わからないところにはこだわらずに片っ端から翻訳していきます。とりあえず翻訳してみたら穴だらけなんてこともよくあります。

これだけ量が多いと分納することがほとんどで、伏線が最後の最後になってわかりすでに納品した訳文の修正を申し入れることもしばしばあります。

次回に続きます。

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