『Bladed Fury』嫦娥(じょうが)について

Bladed Fury
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前回は「后羿こうげい」について書いたので、今回はそれに関連して后羿の妻・嫦娥について書きたいと思います。

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嫦娥

今回も前回と同様のサイト「中国歴史故事網(http://www.gs5000.cn)」にある「后羿射日 嫦娥奔月(http://www.gs5000.cn/gs/shenhua/929.html)」という記事を自分なりに翻訳いたしました。原文はURLからご覧ください。

嫦娥奔月

后羿は世に抜きんでた功績を打ち立て、人々から尊敬と敬愛を受けた。しかし天帝の息子を殺したことで、天帝は彼をとがめ、彼と嫦娥は人間界へと飛ばされて人間となった。多くの志士がその名声を慕って弟子入りしようとした。その中には腹黒くよこしまな考えを持つ逢蒙ほうもうという者もいた。
后羿は嫦娥に申し訳なく思い、猟の技術を弟子たちに伝える以外は、妻と一緒に過ごしていた。そして「天は身分が厳しく定められ、人間界では縛られることなく自由だ。しかし人間には必ず死が訪れる。もし長生きしたいのならば、弱水を渡り火山を越え昆仑に登り、西王母に不死の霊薬を求める必要がある」といった。
后羿はその抜きんでた功績と超人的な意志により、炎山と弱水を越え、断崖絶壁を登り、昆仑山の山頂にたどりついた。西王母は后羿の行いに敬服し、また彼の境遇に同情した。しかし霊薬は一粒しかなく、西王母はこう言った。「不死の薬は不死の木になる不死の実から作られ、不死の木は3000年に一度花を咲かせ、3000年に一度実り、作るのにさらに3000年かかる。今は一粒しかない。二人で分け合えば不老不死となり、一人で食べれば天に昇って仙人になれる」
后羿は家に帰ると妻の嫦娥と相談して吉日を選んで分け合うことにし、しばらく不死の薬は嫦娥に保管してもらうことにした。嫦娥は化粧台の引き出しにそれをしまった。しかしそれは逢蒙に見られていたのだった。
后羿が多くの弟子を率いて猟に出掛けた時、やましい考えを抱いている逢蒙は仮病を使って家に残った。后羿たちが去ってからしばらくすると、逢蒙は手に宝剣を持って屋敷に押し入り、嫦娥に不死の薬を出すよう脅迫した。嫦娥は自分では逢蒙の相手にならないとわかっていたので、その場であることを決心した。身を翻すと引き出しを開け、不死の薬を取り出してそのまま飲み込んだのだった。
嫦娥が薬を飲むと、瞬く間に体が地面から浮き上がって窓へ向かい、天へと昇って行ってしまった。嫦娥は夫が気がかりで、人間界から一番近い月に止まって月の仙人となった。
夕方、后羿が家に帰ると、侍女たちが昼間起きたことを泣きながら訴えた。后羿は驚き怒り、剣を抜いてその悪漢を殺そうとしたが、逢蒙はとっくに逃げていた。怒った后羿は胸をたたき、地団駄を踏み、大声で叫んだ。悲痛窮まりない后羿は、夜空を仰いで愛する妻の名を呼んだ。その時、今夜の月は特に美しく輝き、揺れ動く姿が嫦娥によく似ていることに彼は気付いた。
后羿は急いで嫦娥が好きだった裏庭へと人をやり、香案を用意して彼女が愛した蜜漬けの果物を置き、遠く月の宮殿にいるいとおしい嫦娥を祭った。
人々は嫦娥が月へ昇って仙人になったことを聞くと、月の下に香案を置いて、善良な嫦娥に吉祥や平安を乞い願った。
それから、中秋節に月を拝むという風習が民間の間で広まった。

補足:

「嫦娥奔月」の物語は鮮やかに、そしてきらびやかに褒め上げられ、嫦娥を賛美している。古い文献の嫦娥に関する記載と比較すると、「嫦娥奔月」の物語には多くの加工や

現在広く伝えられている「嫦娥奔月」の内容はこうである。嫦娥は天の生活の誘惑に耐えきれず、后羿が猟に出た隙に、一人で不死の薬を飲んでしまう。夫を裏切ったことで神々に嘲笑されるのを恐れ、月の女神・常羲じょうぎを頼って月の宮殿にしらばく身を寄せたいと嫦娥は考えた。しかし月の宮殿には誰もおらず、異様なほどひっそりとしていた。長い長い夜の間、彼女は孤独と後悔を味わい、ゆっくりと月の精の白いカエルへとなっていった。そして罰として月の宮殿で不死の薬を一日中つき、寂しく貧しい生活を送った。また晩唐の詩人・李商隠は詩の中で「嫦娥応(まさ)に悔ゆべし霊薬を偸(ぬす)むを、碧海青天夜夜の心」と嘆いている。


※原文では「不死数」となっていますが、「不死树」の誤りだと思われます。

まとめ

今回は、前回の后羿に関連して嫦娥について書きました。日本では月といったらウサギがお餅をつくイメージですが、中国ではもともとカエルが不死の薬をついていたのですね。調べてみると、その後嫦娥がウサギになっただとか、后羿がウサギになっただとか、ウサギは嫦娥のペットだとか色々言い伝えがあるようです。

また最後の詩に関して、「百度百科」にある解説を参考に日本語訳をすると「不死の薬を盗んだことを嫦娥は悔いていることだろう。青い海と青い空を前にして、日夜心に想う」といった感じかと思います。「碧海青天」は、青い海と青い空しか見えない嫦娥の味気ない生活を表しているとありました。

これまではただ「きれいだなあ」と思って月を眺めていましたが、これからはまた違った思いで月を見ることができそうです。


参考URL

[1] ”后羿射日 嫦娥奔月”, 中国歴史故事網,<http://www.gs5000.cn/gs/shenhua/929.html>, 2020年4月15日アクセス.

[2] ”玉兔 (经典神话传说)”, 百度百科,<https://baike.baidu.com/item/%E7%8E%89%E5%85%94/58302>, 2020年4月15日アクセス.

[3] ”月兔”, 维基百科, 2020年1月2日更新, <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E5%85%94>, 2020年4月15日アクセス. 

[4] ”常娥 (唐李商隐诗作)”, 百度百科,<https://baike.baidu.com/item/%E5%B8%B8%E5%A8%A5/13978251>, 2020年4月15日アクセス.

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