『還願』元辰宮と命の樹について

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『還願』の作中に登場する「元辰宮」と「命の樹」。一体何のことかよくわかりませんよね。このシーンは作中における最大の見せ場だと思うのですが、そこがよくわからないのはモヤモヤしてしまいます。よくわからないからこそ良い演出を生み出しているのかもしれませんが…… 気になって仕方がなかったのでちょっと調べてみました。

しかし調べてもなかなか見つからず、日本語では全くヒットしませんでした。台湾のサイトを色々と回ってみたところ、向こうでも最近注目され始めたもののようでハッキリしたことがわからず…… 私の理解の範囲でご紹介します。

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元辰宮と命の樹

「元辰宮」は「元神宮」とも呼ばれていて、「元神」がある「宮」、つまり「元神」が住む家を指すようです。では「元神」とは何かというと、「本来の自分」だとか「本性」「自性」を表すようです(私もいまいち理解できていません)。この「元神宮」の状況から、今の自分が一体どんな状態かを知ることができるようです。YouTubeにある、台湾の衛星放送局・中天電視の「神秘52區」という番組で紹介していた内容が一番わかりやすいものでした。

番組内では「元辰宮」を見ることを「看自己內心靈魂的風水」、つまり「自分の中にある魂の風水を見る」と紹介しています(0:17)。そのあと、サングラスを掛けている女性が横になり、「老師」と呼ばれる先生から何やら質問を受けています(0:30)。サングラスを掛けている女性は質問に答え、見えている「元辰宮」の様子を語っています。

それに続いて、なぜ「元辰宮」が注目され始めたのかも説明しています(1:20)。これによると、テレビショッピングの司会を務める禹安という女性が「元辰宮」を見たあとに金運が上がったとあります。具体的な内容は、禹安が「元辰宮」に入ると男女の使用人がずっと彼女についてきます。使用人に掃除をさせるよう先生が禹安に指示します(前後の文脈がわからないのでハッキリしませんが、おそらく1:41の「他」は「老師」を指します)。そして、「元辰宮」に「灰色のお米」がありますが、これはお金が入ってこない「死錢」を意味するそうです。つまりこの時点で禹安の金運は最悪でした。しかし「使用人に掃除をしてもらう」ことは「金運の米びつ」を意味し、「元辰宮」を見たあと一週間ほどすると仕事が舞い込んできたとのことです。

「絲雨老師」は「元辰宮は、実は私たちの魂が住んでいる場所です」と言っています(2:37)。

また「元辰宮」の中の様子が何を表すかも紹介しています(3:39)。

・家の大きさ――財産の規模

・キッチン――金運

・寝室――婚姻

・書斎――事業

・庭――健康

またその後に登場する「J小姐」の例では「J小姐が見る元辰宮の様子から、婚姻に関して彼女が訴訟で苦しんでいることがわかった」としています。そして先生のアドバイスに従い「元辰宮」にある寝室のシーツを取り換えると婚姻の訴訟がうまくいったとあります(4:02)。

まだ続きますが長くなってしまうのでここまでにします。

つまり、「元辰宮」を見れば今の自分の状況がわかり、さらにはそこを整理することで運気がアップするということですね。

また「命の樹」に関して、これはどうやらの「元辰宮」の「庭」に生えているようです(女性は樹ではなく花が生えているようです)。この樹(花)を見て健康状態を確認するのだと思われます。

まとめ

みなさん「元辰宮」と「命の樹」について、少しはわかっていただけましたか? 私も初めて知った言葉でした。

そしてこの「元辰宮」が、作中どういう役割をしているかを考えてみました。台湾の「元辰宮」に関して記載のあるサイトの中に『還願』について言及しているものもありました。そこでは「元辰宮が本来とは違う使われ方がしている」などと書かれていましたが、私は敢えて本来とは違う使い方をしたのではないかと考えます。フォンウが信仰していた宗教はおそらくただの金目的で活動していたのでしょう。だとすると、「元辰宮」もただの金のための道具に過ぎず、それらしいことをしていればいいわけです。金づるだったフォンウを失わないために、メイシンの魂を救うという名目で「元辰宮」を本来とは違う使い方をしたのではないでしょうか。

みなさんはどのように思いますか?

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