ゲーム翻訳という仕事をするまで③

ゲーム
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前の続きです。今回で「ゲーム翻訳という仕事をするまで」シリーズは最後になります。

なんとか実績を得て、それを履歴書に書き、数社に送ってみたところ、1社からトライアルが送られてきました。そして提出してみると合格をいただき、ゲーム翻訳者として契約させてもらうことに。

しかし契約してもすぐに仕事を頂けるというわけではありません。私の場合契約をしてから最初の仕事を頂くまでに2ヶ月空きがありました。そのうえちゃんとした翻訳会社から頂いた初めての仕事が翻訳ではなく、日本語の文字起こしでした。当時は本当にお金がなくて、とにかくやれる量をやろうと思い、10日間の納期で10時間分の文字起こしを引き受けました。やってみてから気付いたのですが、これがもうほんと大変で……。音質が悪く大体5分の内容の文字を起こすのに1時間程度かかり、1時間の内容の文字を起こすのに7~8時間、さらに見直しの時間も考えると……「これ終わらないんじゃね?」と考えが至り、作業の後半は3時間睡眠、納期前は二日連続で徹夜をし、人生でこれほどフラフラになったのは初めてでした。

これが1年目の4月のこと、初めて月収10万円を超えた月です。サラリーマン時代は会社でボケっとエクセルをいじいじしてたら月20万以上はもらえてました。その頃よりはるかに苦労をしても10万ちょっと、本当にお金を稼ぐ大変さが身にしみました。

具体的な数字はあまり覚えておりませんが、確か会社を辞めた時は貯金が160万くらいで、文字起こしのお給料が入ってきた時は20万弱くらいまで減っていたと思います。あと2、3ヶ月仕事が来なければバイトを本気で考えていた時期です。

そしてその会社から数ヶ月後にちゃんとした翻訳の仕事を頂き(しかしゲームではありませんでした)、それを納品した数ヶ月後にゲームの翻訳に携わらせていただきました。その後1年ほどその会社にはお世話になり、ちゃんとした胸を張れる実績を得ることができました。今ではレートの関係でその会社とはお付き合いしておりませんが、当時全くゼロの状態だった私を拾ってくれたその会社には本当に感謝しています。

もしかしたら翻訳者になりたくて今現在頑張っている方が読んでくれているかもしれません。まだまだ同年代のサラリーマン並みの給料しか稼げていませんが、私のこの経験がそんな方の役に立てばうれしく思います。とりあえずそういう方に言っておきたいのは「諦めないこと」です。諦めなければ絶対どこか拾ってくれる会社があります。つらいのは最初だけです。0を1にするのが一番大変です。そこを乗り越えれば何とかなります。時給50円でも頑張るんです。二日連続徹夜してももがくんです。まぁ私もこの先どうなるかはわかりませんが。

もしこれ以外に何か聞きたいことがあればコメントやお問い合わせからご連絡ください。

コメント

  1. さなぎ より:

    はじめまして。
    私はゲーム翻訳者志望ですが、現在はフリーランスでシナリオライターをしております。
    個人製作のゲームシナリオや、地上波テレビドラマの脚本を書いた経験などがございます。
    質問なのですが、こういった経験は翻訳会社の登録時に良い印象に繋がりますでしょうか。
    ちなみに中国語は短期で翻訳スクールに通学歴ありです。
    もし宜しければご感想をお聞かせ頂ければ幸いです。

    • ぴよっぴ より:

      さなぎさん、コメントありがとうございます。
      シナリオライターの経験はゲーム翻訳者にとって有利に働くと思います。
      それだけの経験がおありなら、日本語の文章力が相当あるようですので、当然翻訳にも活かされているはずです。トライアルを受ける際は日本語能力の高さをアピールするためにCVに書けば好印象だと思いますよ。
      私は以前とある翻訳会社から「翻訳ではなくゲームのシナリオを書けますか」という依頼が来たこともあるので、そういった需要のある翻訳会社があることも事実です(私は経験がないのでお断りしましたが……)。
      参考になれば幸いです。

  2. Jennifer Yu より:

    こんにちは!

    中国と日本のゲームローカライズのパートタイム翻訳者を募集しており、ゲームの種類は非常に多岐にわたります。

    参加することに興味がありますか?

    返事を待っています!

    • ぴよっぴ より:

      お手数ですが仕事の依頼は”お問い合わせ”からメールでお願いいたします。
      なお現在は他の依頼で忙しいため対応できません。

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