『Bladed Fury』感想と翻訳について

Bladed Fury
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今回は中国のディベロッパー「Next Studios」が開発したゲーム『Bladed Fury(原題:幽林怪談)』について書きたいと思います。内容はゲームをプレイした感想と翻訳についてです。

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感想

『Bladed Fury』は、中国の古代神話と春秋戦国時代を基にしたアクションゲームです。

歴史上の人物がたくさん登場し、その一人ひとりが史実を基にした個性を有するキャラ設定となっています。例を挙げると、呉の名将・伍子胥ごししょや陳の夏徴舒かちょうじょ、斉の名宰相・晏嬰あんえい、孔門十哲の一人・宰我さいがなど、中国の歴史好きにはたまらない人物が多数登場します。

また戦国時代が舞台となっていることもあり、ゲームの雰囲気も古代中国をモチーフとしており、そこも歴史好きが思わずニヤけてしまうポイントかと思います。

ゲームのシステムは、2Dのアクションゲームとなっており、ゲーム進行はシンプルながら、「完璧」と呼ばれるジャストガードや「英魂」と呼ばれる召喚システムなどを駆使するため、戦闘において飽きが来ることはありません。

またこのゲームの最大の魅力はボスの強さにあると思います。難易度「困難」では、ボスで軽く30回は死にました。強力なボスをどう攻略するか。単なるゴリ押しでは絶対に倒せないため、習得したスキルや「完璧」を駆使して相手の隙を突く必要があります。

ラスボスでは心が折れかけました……

翻訳について

上述した通り、非常に魅力的なゲームではあるものの、翻訳に関しては残念でした。海外ゲームにありがちな、ゲーム自体は面白いけどローカライズが微妙なためにプレイした感想も微妙といった感じでしょうか。日本人は確実に携わっておらず、日本語がそれほど得意ではない中国人か機械が翻訳したのでしょう。例を挙げればキリがありませんが、例えば以下のような感じです。

外国人が話す日本語みたいですよね。(録画ソフト「VideoProc」無料版で録画したのでロゴが入ってしまっています…… すみません……)

ほかにも……

回復回数をアップさせるスキルの名前ですが、「回春」って…… さすがに変えてほしかったです。

ちなみに中国語の辞書をみてみると、

参考文献:小学館・北京商務印書館編, (1992・2003)『中日辞典』第2版, 小学館. 

とあります。「」とハッキリ書かれていますね。

それでも日本語対応しているだけでもありがたいとは思います…… しかし、ゲームが面白いだけに本当にもったいない。アクションを楽しみたい人はそれなりに満足できるゲームかもしれませんが、歴史を楽しみたい人は翻訳のせいで楽しみが半減してしまうかもしれません。

例えば、伍子胥ごししょのステージでは画像のような髑髏どくろが登場します。

日本語ではわかりませんが、原文を見てみると…… 

让他去吧,若是那姑娘果然厉害,倒是替我报了鞭尸之恨……

とあります。「行かせてみよう。あの娘の力が本物ならば、死屍ししに鞭打たれたわしの恨みを晴らしてくれるじゃろう……」といった感じでしょうか。そうです。「死屍ししに鞭打つ」の語源となった伍子胥ごししょにまつわるエピソードを基にしており、この情けない顔をした髑髏どくろ伍子胥ごししょの恨みを買った楚の平王だったのです。

原文では、こうした何気ない細かい所にも史実が散りばめられているのがわかりますが、それが訳されていなかったりしてわからないんですよね……

まとめ

今回は『Bladed Fury』について書きました。

ローカライズは残念ではあるものの、それでもストーリーはなんとなくわかるのでそれなりに楽しめますよ。やっぱり予算が厳しいのでしょうか…… ゲーム自体は面白いだけにもどかしい。

次回からは、このゲームの時代背景や登場人物などについて書いていきたいと思います。これを見れば、これからプレイする方は少しだけスムーズにゲームを進めることができ、プレイした方はもっと内容を理解できると思います。プレイする予定のない方でも、なるべくわかりやすく書きたいと思いますので、お付き合いいただけたらと思います。中国史の魅力を少しでも伝えられたら幸いです。

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